日本の戦後民主主義社会の中で、現在ほど政治力、経済力、民の力が試されている時代はないでしょう。高度経済成長、変動相場制の導入、国民総生産世界第2位への躍進、バブル経済崩壊、そしてかつて経験したことのないデフレ経済と大きな経済の波に翻ろうされ、私たちは将来展望の利かない社会的不安の中にいるからです。また経済優先の施策は人間生活の基盤である自然の荒廃をもたらしました。この閉塞した社会状況からの脱却を図り豊かな自然を取り戻し次代に継承していくことが、私たちに課せられた使命ではないでしょうか。それには私たちが住む地域社会から変革していくことが重要です。しかも住民が主体となって行動することです。
私たちの暮らす現代社会は、情報化が加速度的に発展しています。山梨県北部の八ケ岳山ろくの自然環境を保全する精神を基本に、情報化の最先端技術を駆使した放送事業というメディアを通じて地域住民のコミュニケーションを図り、安心して生活し、生きていることに喜びを感じるような地域社会づくりに貢献したいと考えております。
八ケ岳山ろくの人々は、かつて自然の中に溶け込むように「里山」と呼ばれる地域に暮らしてきました。高度経済成長期には都市への人口流出が激しく、その里山の機能が失われつつありましたが、ここにきてその機能回復をする活動が盛んになり、古くから住む住民に加え別荘派や脱都会派、農業回帰派ら移住者が増加、自然の良さを見直す機運が高まっています。そして地域の後継者らも新たな地域づくりに向けて知恵を絞り、活動しています。
この新旧住民の情報共有化を進めコミュニケーションを図るため、@これら地域に住む人々に対してきめ細かな地域情報や行政・生活情報の発信基地A災害時・緊急時の住民の安全確保に向けての情報伝達基地B住民参加の開かれた放送局として活力ある地域づくりに寄与することを中心に、NPO(非営利団体)法人「八ヶ岳コミュニティ放送」が運営するラジオ放送事業を展開します。
地域社会の運営や政策づくりに積極的にかかわっていくための手助けを「メディア」という手段を使って「カルチャー」という側面から行い、NPOなどの人的ネットワークを構築し、質の高い、しかも実効性に富んだ番組づくりを行うとともに、自然保護に少しでも貢献できる事業を行い、人材育成をしていく所存です。